予防医学、代替医療、生活の中の食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・オイルマッサージ・瞑想など)で注目されるインド・スリランカ伝統医学アーユルヴェーダの情報サイト「アーユルヴェーダライフ」
アーユルヴェーダ・インド、スリランカ伝統医学|アーユルヴェーダライフ(Ayurveda Life)
「生命の科学」ともいわれるインド・スリランカ伝統医学アーユルヴェーダ。予防医学・代替医療にとどまらず、高度な生命哲学としても注目されています。アーユルヴェーダでは、食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・瞑想)といった日常生活に関わる内容から、「生命」そのものについてまでが語られています。
身体を構成する7つの要素「ダートゥ」と五大元素


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アーユルヴェーダでは身体に働きかけるエネルギーとしてトリドーシャをあげていますが、一方で身体そのものを構成する7つの組織(要素)「ダートゥ」、またダートゥにおける消化・代謝から生成・排泄される3つの老廃物「マラ」について説いています。

ダートゥは身体のシステムや構造、機能を支え、身体の生命活動において基本とされる存在であり、これらは自然界の五大元素(空・風・火・水・地、マハーブータ・maha bhutas)によって構成され、五大元素に対応するドーシャもこれに依存関係があるとされます。

(身体を構成する7つの要素「ダートゥ」と五大元素)

 ・血漿、リンパ(ラサ、Rasa) - 水元素(Apah)
 ・血液(ラクタ、Rakta) - 火元素(Tejas)、水元素)
 ・筋肉組織(マーンサ、Mamsa) - 地元素(prithvi)
 ・脂肪組織(メーダ、Medas) - 水元素、地元素
 ・骨組織(アスティ、Asthi) - 風元素(vayu)、地元素
 ・骨髄組織、神経組織(マッジャー、Majja) - 水元素
 ・生殖組織(シュクラ、Sukra) - 水元素

概して、ヴァータは骨組織、ピッタは血液、カファは血漿やリンパ・筋肉組織・脂肪組織・骨髄組織や神経組織・生殖組織に関係します。

各ダートゥの増減は対応するドーシャの増減にも繋がります(ヴァータと骨組織は反比例します)。
従ってダートゥの乱れ(減少・増加・悪化)はドーシャのバランスを乱すことにもなり、結果として健康のバランスが崩れて病気を招くことに繋がります。

ダートゥの消化・代謝の流れとマラ(老廃物)

身体を構成する7つの要素「ダートゥ」は、体内に取り込まれた栄養が消化・代謝(アーユルヴェーダでは、この消化・代謝の働きを「アグニ」と呼ばれるエネルギーと定義しています)されることで組織の生成・活性化がなされますが、この消化・代謝の流れには順序があります。
それゆえ各ダートゥ(組織)においては相関関係があり、ひとつのダートゥ(組織)の状態は、消化・代謝の流れの下位のダートゥ(組織)にも影響を及ぼすものと考えられています。

消化・代謝の働きをなす「アグニ(Agni)」は「消化・代謝の炎」とも呼ばれます。
身体における「消化」というと胃腸や小腸・大腸などがイメージされますが、アーユルヴェーダにおける「消化」とは体内に取り込まれた食べ物(栄養)をエネルギーに変換し吸収することを意味するため、アグニは体内のあらゆる場所に存在するものと考えられています。
胃腸にある「ジャータラ・アグニ」、肝臓にある「ブータ・アグニ(五大元素の数だけ存在するとされ、5つあります)」、また7つのダートゥにもそれぞれにアグニが存在します。

アグニの作用する消化・代謝の過程において、その「炎」の燃焼から「燃えカス」としての老廃物が作り出され、これらをアーユルヴェーダでは「マラ(Mala)」と呼んでいます。
マラは大便・小便・汗など大きく3つあるとされますが、これ以外にも髪の毛や爪などもマラに分類されるため、マラは必ずしも「老廃物」という意味だけにとどまりません。

アーユルヴェーダでは、単純に「マラ(老廃物)=悪いもの」という考えではなく、消化の炎によって完全に燃え尽きたマラ(老廃物)が作り出される身体の状態はバランスが取れている状態と捉え、身体の健康状態のバロメーターとしています。


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ドーシャのバランスと消化力の関係


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アーユルヴェーダでは、消化力の働きはドーシャ・バランスの状態に密接に影響を受けるものとして考えられています。

適切なヴァータの状態は、消化の炎「アグニ」を支えるピッタに働きかけ正常な消化を促し、十分に消化された栄養物は同化を司るカファによって血液・血漿、筋肉、脂肪、骨・骨髄、神経組織、生殖組織を始めとする様々な身体組織に構成されます。

一方、ドーシャのバランスが崩れ、たとえばヴァータが過剰に増大すると、消化に働きかけるピッタにも影響し、消化の炎「アグニ」は強すぎる状態となり食べ物の消化に偏りが起こります。
またヴァータが不安定になりピッタの働きにムラがある場合や、食べ過ぎによる過剰な量の食べ物が消化器官に送られた場合などにおいても、消化の炎「アグニ」は正しく働くことができなくなります。

これらの適切に消化されることのない食べ物は未消化物となり、身体においても栄養にはならず、体内で過剰に蓄積・吸収されてしまうと様々な病気を生み出す原因になるとされています(アーユルヴェーダではこれらの未消化物を「アーマ(ama)」と呼んでいます)。

不安定な消化力は、結果として質の悪い(未熟な)不適切な量の身体組織を生み、体重の増減も不安定なものとなり、さらには代謝力や免疫力の働きにも影響を及ぼし、老化のプロセスを早めることにも繋がると考えられています。

アーユルヴェーダでは、多くの病気が消化器系の不調から始まることも教示しており、身体に摂りいれる食べ物は体質に適したものを食べることや、十分な消化が行えるよう正しい調理を行うことをすすめています。

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