インド占星術とは、ヨガやアーユルヴェーダと同じく、インドの伝統思想「ヴェーダ」における知識体系のひとつであり、「Jyotish(ジョーティッシュ)」とも呼ばれます。
「Jyotish(Jyotisha)」はサンスクリット語における「Jyoti=光」「Isha=神(魂)」が組み合わさった言葉で、一般に「光の科学」という意味で知られています。
本来のジョーティッシュは「星学」と呼ばれる天体の動きを研究する学問であり、その歴史は「ヴェーダ」同様に大変古くから伝承されてきたものといわれます。
アーユルヴェーダライフ管理人、アーユルヴェーダやヨガといったインドの伝統文化や思想に触れる中で、このジョーティッシュと言われる「星の科学」にも大変関心を持ち、「インド占星術研究プロジェクト」として、少しずつ取り纏めた内容をご紹介していきたいと思っています。
インドの伝統思想「ヴェーダ」においては、この世界を織りなす「大宇宙」と、私たち個々の生命としての「小宇宙」は、その本質においては同じものである、という考え方があります。
ヴェーダ思想に基づくジョーティッシュでも、人体の各部はそのまま宇宙や天体の構成に対応していると考えます。
個人のチャート(ホロスコープ)に表れる惑星の動きは、そのまま人体の在り様にも照応するものと捉え、天体の動きやエネルギーもまた人体に影響を及ぼすものと考えられています。
(星座と人体各部の対応)
・牡羊座/メーシャ(Meshe) - 頭
・牡牛座/ヴリシャヴ(Vrishabha) - 顔
・双子座/ミトゥン(Mithuna) - 首・肩・腕
・蟹座 /カルカ(Karka) - 胸
・獅子座/シンハ(Simha) - 上腹部
・乙女座/カンニャ(Kanya) - 中腹部
・天秤座/トゥラー(Tula) - 下腹部
・蠍座 /ヴリシュチカ(Vrischka) - 生殖器
・射手座/ダヌ(Dhanu) - 太もも
・山羊座/マカラ(Makara) - 膝
・水瓶座/クンバ(Kumbha) - 脛
・魚座 /ミーナ(Meena) - 足
インド占星術では、「太陽」「月」「水星」「金星」「火星」「木星」「土星」、これに太陽と月の交点「ラーフ」「ケートゥ」の2つを含めた、9つの惑星の天空における配置や位置関係を重要視しています。
9つの惑星は「ナヴァ・グラハ」と呼ばれ、サンスクリット語で「ナヴァ」は9つ、「グラハ」は惑星を意味します。
ヒンドゥー教では9つの星々にはそれぞれの神々がいると考え、9つの惑星の神々に祈りを捧げる「ナヴァグラハ・プージャ」という祈祷も行われます。
アーユルヴェーダにおいて、私たちの身体のドーシャの働きが、季節や生活する地域や環境から影響を受けると考えられているのと同じように、「ジョーティッシュ」では、天空の星々の配置や動きが、私たちの身体のバランスはもちろん、人生の流れにも影響を及ぼすと考えられています。
(スーリヤ/太陽)
惑星の住居:寺院、生来的吉凶:弱い凶星、方角:東。
支配星座:獅子座。
高揚星座:牡羊座、減衰星座:天秤座。
(チャンドラ/月)
惑星の住居:水辺、生来的吉凶:弱い吉星、方角:北西。
支配星座:蟹座。
高揚星座:牡牛座、減衰星座:蠍座。
(ブッダ/水星)
惑星の住居:競技場、生来的吉凶:弱い吉星、方角:北。
支配星座:双子座、乙女座。
高揚星座:乙女座、減衰星座:魚座。
(シュクラ/金星)
惑星の住居:寝室、生来的吉凶:吉星、方角:南東。
支配星座:牡牛座、天秤座。
高揚星座:魚座、減衰星座:乙女座。
(マンガル/火星)
惑星の住居:火のある場所、生来的吉凶:凶星、方角:南。
支配星座:牡羊座、蠍座。
高揚星座:山羊座、減衰星座:蟹座。
(グル/木星)
惑星の住居:宝物庫、生来的吉凶:吉星、方角:北東。
支配星座:射手座、魚座。
高揚星座:蟹座、減衰星座:山羊座。
(シャニ/土星)
惑星の住居:汚れた場所、生来的吉凶:凶星、方角:西。
支配星座:山羊座、水瓶座。
高揚星座:天秤座、減衰星座:牡羊座。
(ラーフ/RAHU)
生来的吉凶:凶星、方角:南西。
高揚星座:牡牛座、減衰星座:蠍座。
(ケートゥ/KETU)
生来的吉凶:凶星、方角:南西。
高揚星座:蠍座、減衰星座:牡牛座。