インドにホームステイをする20年前まで、私は「スパイス」に対して「カレーの材料」「辛い」「刺激」「香りが強い」以外のイメージを持っていませんでした。
料理の味を引き立てる刺激のある調味料、香り付けをするものが「スパイス」だと思っていました。
インドで「スパイス」が、体調管理のために薬のように使われている様子は、とても新鮮で興味深く、そして驚きました。
けれども、実はそのずっと以前から、胃腸の調子を整えるために、それらのスパイスに馴染んでいたことに、アーユルヴェーダを学びはじめてから気がつきました。
10代の頃から胃腸が弱く、ある市販薬を常備していました。
その薬は、数種の生薬と数種の制酸剤が含まれています。
成分表をみると和名なので繋がっていなかったのですが、実はおなじみのスパイスの名前が、生薬としていくつも並んでいました。
・ケイヒ(桂皮) = シナモン
・ウイキョウ(茴香) = フェンネル
・チョウジ(丁子) = クローブ
・ニクズク(肉豆蔲) = ナツメグ
上記スパイスは、スーパーのスパイスコーナーで、手に入りやすいものです。
シナモンやクローブはお菓子作りに、ナツメグは肉の臭み消しとしてハンバーグに混ぜたりしますね。
このように気軽に使っているスパイスも、生薬・漢方として使われています。
アーユルヴェーダは、自身の体質や体調に合わせた生活法、食事法、ホームレメディーを用いた体調管理法など、心身健康のため知恵の宝庫でもあります。
それらを意識的に生活に取り入れはじめてから、私の市販薬の量は激減しました。
特に、スパイスを食事やお茶などで、生活に取り入れはじめてから、胃もたれや胃の不快を感じることが少なくなりました。
取り入れている一つのものに、スパイス・ハーブのパウダーで作っている歯磨き粉があります。
作る時々で配合は変化するのですが、上記スパイスにミントやニーム(ニームは日本で手に入りにくいです)などその他数種を混ぜたもので食後に歯を磨いています。
自然と飲み込んでいますし、ちょこっと舐めたりもします。
これらのスパイスは、消化を助けるだけでなく、口臭にも効果的、パウダーのスクラブで歯もつるつるになり、気分もすっきりリフレッシュします。
消化が重いものを食べた後は、消化促進効果の高いスパイスでお茶をつくることもあります。
特にフェンネルティーをよくつくります。
フェンネルは消化を助け、ガスを取り除いてくれます。
インドレストランでは、レジの横にフェンネル(砂糖でコーティングされているものが多い)が置いてあるお店も多いですね。
アーユルヴェーダでは、病気にならないためには、毒素を身体に溜めないことが大切だと考えます。
食事をきちんと消化すること(消化力に見合った食事量にすること)、そして、適切な排便・排尿を心がけたいですね。
スパイスはそれらも助けてくれますし、健康のために役立つ心強いものです。
自然の力、植物の力は、私たちの心身を元気にしてくれます。
とはいえ、慣れないスパイスを何種類も使うことや購入することに躊躇ある方もいると思いますので、今回はひとつのスパイスで十分に楽しめるお役立ち飲み物レシピをいくつかご紹介します。
【フェンネルティー】
消化を助け、マウスウォッシュにもなるので、食後のティーにピッタリです。
(作り方)
1. フェンネル小さじ1にコップ1~2杯分の熱湯を注いで、10分ほど蒸らすと黄金のお茶ができあがります。
フェンネルを香りが立つまで煎って、お湯で煮出すとよる味に深みが出ます。
【クミンティー】
消化促進、胃の働きを助けます。
胃の調子が優れないときや体力を消耗しているときにもおすすめです。
(作り方)
1. クミンを煎ってお湯で煮出します。
2. クミンの煎り具合で香ばしさが変わります。
ほうじ茶のようなやさしい味です。
【シナモンティー】
血行促進にすぐれており、冷えや生理痛の緩和にもおすすめです。
香りが好みの方はリラックスにもぴったりです。
(作り方)
1. シナモンスティックに熱湯を注ぐ、もしくは煮出します。
2. シナモンの香りが漂い芳香としても楽しめます。
ジンジャーパウダーを加えたり、少し冷めてから生蜂蜜を加えたり、相性の良さそうなスパイス2種でお茶を作ってみたり、スパイスドリンク楽しんでくださいね。
※どのスパイスも摂り過ぎは禁物です。
※妊娠中、摂取しない方がよいスパイスもあります。
ブラフ・ヤヨイ
(ガネーシャ ~ヨガ & アーユルヴェーダ~)
http://www.ayurveda-ganesha.jp/